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パブとは

パブは、2段階で定義した方がいいように思います。
まず、根源的には、Public House(公共の家)の略で、居酒屋だけでなく宿屋、雑貨屋、はたまた地域情報センターの役割をも果たす総合施設のことを指します。イギリス・アイルランドで発生し、現在もその原型をわずかにとどめつつ残存しています。
ただし、現在、とくにロンドンやダブリンなどではそんなパブはほとんど残っちゃおりません。一般的には、ビールを始めとするアルコール・食べ物を給する大衆居酒屋全般を指すわけです。
パブはイギリスで7万軒、アイルランドで1万軒あるといわれており、前者の意味のパブはもはや少ないが、後者の意味でなら両国のみならずアイルランド人の移民に伴って日本も含めて全世界に普及しています。東京に最近数多く出来てきたパブも、そんなパブのひとつなのです。
要するに、日本で言えば安い居酒屋+地方の名士の家といった感じです

パブ事情

廃れていくエールビールとクラシックパブ。好景気に押されて台頭してきたモダンパブやファミリーパブ。どんなものにも、変化や、新旧交代はあるものです。そんな過渡期にある現在のイギリスのパブ事情について見ていきましょう。
 現在の英国パブの事情を左右している2大要素は、人々のクラシックパブ離れと、エールビールの凋落でしょう。  ロンドンあたりを歩くと、ここ数年くらいカフェやワインバー、おいしい各国レストランなど、外食産業が発達していることに気づくでしょうか。おしゃれやおいしさを、現代のイギリスの若者は求めているのです。
 まず女性がクラシックパブから離れました。すると若い男性も当然クラシックパブに行くのをやめます。  そんな若者のニーズをいち早く察知した大手パブチェーン店は、軒並み彼らをターゲットにした新しい形のパブ、いわばモダンパブを作りました。食事やワインを充実させ、おしゃれな内装に変え、女性や若者を狙ったのです。その結果、ロンドンには、モダンパブが急増しました。一方、田舎では、フリーハウスとして、個人で経営している店が1日に1軒の割合でつぶれています。
 エールビールに対するイメージも落ちています。「オヤジの飲み物」として敬遠され、若者を中心に、喉ごしがよいラガーやワインを好むようになりました。地方の地ビール工場も日に日に減ってきています。
   現地の日本人向け情報誌「週刊ジャーニー」編集長の手島氏によると、「パブはイギリス人の心の故郷、みたいな不文律にどっかりとあぐらをかいて、クラシックパブがなんの自助努力もしてこなかったことが原因ですね。駐在している日本人は、最初は珍しがって、クラシックパブに行きますが、やがていかなくなります。キャッシュオンデリバリーの面倒くささや、混んでいるときは立たなくちゃいけない、などの不便さに耐えられなくなるからです」と嘆いています。
 クラシックパブだって、他の外食産業やモダンパブに負けちゃいられない、と禁煙席の増加や料理の充実を図っていますが、遅きに失した感も否めません。
 イギリスの文化遺産であるクラシックパブに愛着がある作者としては、このままクラシックパブが減っていくことのが残念ですが、パブも商売である以上、社会の情勢にうまく対応していかなければならないのです。シビアですなあ。
 あと10年もすれば、この状況はますます加速するでしょう。でも、その先は、読めています。クラシックパブ回帰が必ず起こるはずです。特に、古いものを大切にするイギリス人のことです。エールビールを復活させる団体CAMRAができたのと同じように。